のどぐろ


体の赤いアカムツは、口腔が黒いことから島根ではノドグロと呼ばれています。「白身魚のトロ」ともいえるその味覚の秘密は、身の中の脂質分が多い上に、均質に分布しているからです。高級魚の中の高級魚と位置付けられ、身は柔らかく淡い紅色で煮付け料理が一般的なのですが、塩焼き・刺身・蒸し物・魚すきなども大変美味な高級魚です。
この山陰沖産のノドグロの中から、さらに、浜田の底曳網漁協連合会底引き網にて水揚げされ 、 8月下旬-1月末 の時期の、 加工後の重量が70g以上(原魚:100g以上)で 脂質分豊富という条件を満たした魚のみを「どんちっちのどぐろ」としてブランド化しています。
よく脂がのっていて美味しいと言われるのは、脂質含有量が多いためです。なぜ浜田の底引き網で漁獲される「のどぐろ」は、釣りや延縄、また別の漁場で捕獲されたものより脂質含有量が多いのでしょうか?それは、この海域には脂質に富んだ甲殻類、プランクトン等が多数生息していて、それらを栄養源として成長するからではないかと考えられています。
 のどぐろの選び方として、色・艶のよいものを選びます。
しかし、のどぐろの場合、天然礁(漁師さんは瀬という)で漁獲されたものは鱗がしっかりついており、色艶共に申し分ないのですが脂ののりはいまひとつといわれています。一方、底引き網によって泥場で漁獲されたのどぐろは鱗がはげ、白っぽくなっており、見た目に鮮度が悪いのかなと思ってしまうのですが、実は皮下脂肪が多いために白っぽく見えるのであって、決して鮮度が悪いわけではありません。漁師さんに言わせれば「のどぐろは泥場のものに限る」とのこと。選ぶときは色・艶だけでなくそのあたりにも注意してお買い求め下さい。

有限会社渡邊水産

〒693-0054 島根県出雲市浜町1987-1 TEL.0853-22-6555